年会費のかかるゴールドカードを、いま持っている1枚に足すかどうか。迷う場面が出てきます。
「年会費以上に使えば元が取れる」で片づけている記事が多いのですが、公式ページを読むと、元の取り方はカードごとに違っていました。
- 元の取り方は 利用額・回数・契約 の3つに分かれる
- 2枚目に足したときに不利になるのは、利用額で取る型だけ
- 「年会費が無料になる条件」と「特典が付く条件」は別物
- 分岐点は特典の額ではなく、使う回数のほうで決まる
三井住友カード ゴールド(NL)・楽天プレミアムカード・dカード GOLDの公式ページを読みました。2026年9月23日時点の記載です。
目次
- 年会費の元の取り方は、3つに分かれます
- 型が分かると、自分に当てはめる場所が決まります
- 利用額で元を取る型が、2枚持ちでいちばん弱いです
- 100万円に数えてもらえない支払いが、かなりあります
- 対象期間は、1月から12月ではありません
- 足すのと、切り替えるのとでは結果が変わります
- 永年無料になるのは一度、10,000ポイントは毎年です
- 初年度だけ、達成しても足が出ます
- ラウンジの回数で取るなら、分岐点は割り算で出ます
- 無料で入れるのは年5回まで
- 楽天市場の上乗せにも、上限があります
- ドコモ料金で取るなら、プランを見た時点で決まります
- 対象にならない料金のほうが多い場合があります
- 「最大1万円相当」が1万円で戻るとは限りません
- 保険とラウンジを金額に足すと、計算が壊れます
- ゴールドカードの年会費に関するよくある質問
- まとめ。年会費を払う価値が出るのはどこか
あなたの場合を判定する
いま持っているカードを選ぶと、ここに判定が出ます
- 12枚目はいりません
- 22枚目を作ると得します
- 3条件を満たせば得します
- 4同じ会社の2枚目になります
年会費の元の取り方は、3つに分かれます
上位の記事は、元の取り方を1種類として扱っています。損益分岐点の出し方も「使う特典の合計から年会費を引く」か、「年会費を還元率の差で割る」かのどちらか。どちらも利用額の話です。
実際の公式ページは、そろっていませんでした。当サイトが数値を確認しているゴールド3枚で、元が取れるかどうかを決めているものが別々です。
| 型 | カード | 年会費(税込) | 元が取れるかを決めるもの | 2枚目に足したとき |
|---|---|---|---|---|
| 利用額 | 三井住友カード ゴールド(NL) | 5,500円 | 年間100万円に届くか | 遠のく |
| 回数 | 楽天プレミアムカード | 11,000円 | ラウンジを年に何回使うか | 変わらない |
| 契約 | dカード GOLD | 11,000円 | 対象のドコモ料金がいくらか | 変わらない |
3枚の確認日と出どころはデータの一覧にあります。
年会費の額だけを見ると、三井住友カード ゴールド(NL)の5,500円がいちばん軽く見えます。ただ、この1枚だけが「年間いくら使ったか」で条件を判定する形。
分かれ目は、額ではなく取り方のほうです。回数で取る型と契約で取る型は、支払いを何枚に分けても分岐点が動きません。
型が分かると、自分に当てはめる場所が決まります
利用額で取る型は、家計の支払いをどこに集めているかを見ることになります。回数で取る型は、年に何回空港へ行くか。契約で取る型は、いま契約している料金プランの名前。
見る場所が3つとも違うので、先に型を決めないと、どの数字を数えればいいのかが分かりません。
利用額で元を取る型が、2枚持ちでいちばん弱いです
三井住友カード ゴールド(NL)の条件は、年間100万円の利用です。達成すると翌年以降の年会費が永年無料になります。
月あたりに直すと、こうなります。
- 1,000,000円 ÷ 12か月 = 月83,334円
- 家族カードと子カード(ETCカード、iD専用カードなど)の利用分は合算して集計される
- 年間100万円の利用があってもなくても、初年度の年会費5,500円は必ずかかる
月83,334円は、家賃と食費と光熱費をこの1枚に寄せて、ようやく届く額です。ここに2枚目を足すと、対象店の支払いが2枚目へ移るぶん、こちらの年間利用額が減ります。
払い先を分けた枚数だけ、達成が遠のきます。年会費0円の2枚目を足したのに、別のカードの年会費が5,500円復活する、という並びも起こりえます。
年会費0円のままでどこまで足りるかは、年会費無料の2枚持ちに分けて書きました。
100万円に数えてもらえない支払いが、かなりあります
集計の対象にならない利用が公式ページに並んでいます。2026年9月23日時点で、こう書かれていました。
- 年会費(クレジットカード・ETCカード・PiTaPaカード)
- 三井住友カードつみたて投資(SBI証券)
- キャッシングリボ・海外キャッシュサービス・その他ローンの返済金
- リボ払い・分割払いの手数料
- 交通系およびその他一部の電子マネーへのチャージ
- モバイルSuicaの定期券・特急券・グリーン券、モバイルICOCAの定期券
- ANA Pay・ミャクペ!・自社発行プリペイドカード・VポイントPayアプリへのチャージ
- 国民年金保険料、三井住友銀行の外貨自動積立サービス
さらに2026年3月1日から、au PAY・Kyash・JAL Pay・バンドルカードへのチャージも対象外に加わりました。チャージして使う経路は、ほぼ閉じていると見たほうが近い状態です。
クレカ積立が数えられないところが、いちばん効きます。毎月10万円を積み立てても、年120万円は100万円の集計に1円も乗りません。
キャンペーンでキャッシュバックを受けた分も、累計金額から減算される場合があると書かれています。足し算だけで100万円を数えると、届いたつもりで外すことになります。
対象期間は、1月から12月ではありません
もう1つ、公式ページの読み落としやすいところ。集計の期間が暦年ではなく、カードに入った月を起点にした11か月後の末日までです。
初年度・・・カード加入日から11ヵ月後末日まで 翌年度以降・・・カード加入月の1日から11ヵ月後末日まで
7月に入会したなら、区切りは翌年6月末。年末に「今年はいくら使ったか」を数えても、判定の期間と合っていません。
売上票の到着が期間からはみ出したぶんも集計されません。公式は「特に公共料金やETCカードなどのご利用分の売上票持込が遅れるためご注意ください」と、遅れやすいものを名指ししています。
足すのと、切り替えるのとでは結果が変わります
同じゴールドを持つにしても、いまの1枚を切り替えるか、2枚目として足すかで、利用額型の結論は逆を向きます。切り替えなら支払いは1枚のまま。足せば2枚に割れます。
楽天カードの公式ページは、すでにカードを持っている人に「切り替えのお申し込み」と「2枚目のカードのお申し込み」の2つを並べています。カード会社の側も、この2つを別のものとして扱っている形。
利用額で条件を判定するカードなら、切り替えのほうが素直です。2枚目として足すのであれば、条件のないカードか、次に出てくる回数・契約で元を取る型のほうが噛み合います。
永年無料になるのは一度、10,000ポイントは毎年です
同じ「年間100万円」でも、年会費のほうと継続特典のほうで、必要な回数が違います。ここを1つにまとめている記事が多いところ。
| 年会費の永年無料 | 継続特典10,000ポイント | |
|---|---|---|
| 必要な条件 | 年間100万円の利用 | 年間100万円の利用 |
| 何回必要か | 一度だけ | 毎年 |
| 初年度の扱い | 初年度の5,500円は必ずかかる | 初年度は付与されない |
| 達成した翌年以降 | 達成しなくても無料のまま | 達成しなかった年は付かない |
年会費のほうは、初年度に届かなくても翌年度に届けば3年目以降が永年無料になります。一度通れば、あとは使わなくなっても無料のまま。
継続特典は逆で、毎年100万円を達成し続けたぶんだけ付きます。10,000ポイント ÷ 1,000,000円 = 1.0%の上乗せにあたる計算。
初年度だけ、達成しても足が出ます
初年度に100万円を使った場合の収支を、年ごとに並べます。通常の還元は200円につき1ポイントなので、100万円で5,000ポイント。
- 初年度:年会費5,500円に対して、通常5,000ポイントだけ。継続特典は付かず、500円分のマイナス
- 2年目:年会費が0円になり、通常5,000ポイントと継続特典10,000ポイントが入る。初年度の5,500円をここで回収する
- 退会すると:達成状況はリセットされ、再入会しても引き継がれない
初年度だけは、達成しても足が出ます。継続特典の10,000ポイントは、公式に「初年度は付与されません」と書かれているためです。1年で解約すると、初年度の5,500円だけが残ります。
ラウンジの回数で取るなら、分岐点は割り算で出ます
楽天プレミアムカードの年会費は11,000円(税込み)で、支払いは一括払いになります。無料になる条件は公式ページに書かれていません。
その代わり、こちらは損益分岐点が割り算で出ます。ラウンジ1回あたりの金額を、公式自身が示しているためです。
| 1回あたりの金額 | 年会費11,000円に届く回数 | |
|---|---|---|
| 国内の空港ラウンジ | 1,320円(羽田空港ラウンジの利用料) | 年9回 |
| 海外(プライオリティ・パス) | 自分で契約すると年会費US$99+1回US$35 | 年2回 |
割り算にすると、こうなります。
- 11,000円 ÷ 1,320円 = 8.3回 → 国内ラウンジなら 年9回から
- US$99 + US$35 × 2回 = US$169 → 公式の換算レート(2025年1月19日時点でUS$1=157.77円)で約26,663円
- 海外ラウンジは年2回で年会費を上回る
国内の年9回は、出張で毎月飛ぶ人でないと届きません。海外のほうは早く届きます。
国内だけなら、年9回が分かれ目です。海外の空港ラウンジを年2回使うなら、そこで年会費を上回ります。
無料で入れるのは年5回まで
プライオリティ・パスを「無料で付く」とだけ書いている紹介記事が多いのですが、回数の上限があります。
公式の注記に「年間5回まで無料でご利用可能(6回目以降は1回あたりUS35$)です」とあります。
年6回目からは有料です。 海外ラウンジ年2回で元が取れるのは、この5回の枠の中での話になります。
回数は国内・国外の合計で数えます。数え始めの日や同伴者の料金は、2枚目の空港ラウンジにまとめました。
なお公式が掲げている「年間合計52,750円相当の特典」には、「年間で一定額のご利用を前提として計算しております」という注記が付いています。ラウンジ以外の特典は、使う額を決めてからでないと金額になりません。
楽天市場の上乗せにも、上限があります
金額の出る特典はラウンジだけではありません。楽天市場での上乗せ(楽天市場特典分の+1倍)は、楽天プレミアムカードと楽天ブラックカードだけが対象です。
こちらにも月間10,000ポイントという上限が付いています。100円につき1ポイントなので、上限に届くのは楽天市場で月100万円を使ったとき。
上限に当たる人はほとんどいないはずで、実際に効くのは上限ではなく、楽天市場で年にいくら使うかのほう。年30万円なら3,000ポイントで、年会費11,000円には届きません。
ドコモ料金で取るなら、プランを見た時点で決まります
dカード GOLDの年会費は11,000円(税込)で、こちらも無料になる条件はありません。元を取る中心は、ドコモの利用料金に対する10%還元です。
ただし10%がまるごとゴールドの特典ではない、という注記が公式にあります。dポイントクラブ会員を対象としたポイント進呈が1%、「dカード GOLD特典」としてのポイント進呈が9%で、その合計が10%。
つまり、ゴールドにして増えるのは9%分。ここを10%で計算すると、必要な料金を1割少なく見積もることになります。
- 11,000円 ÷ 0.09 = 年122,222円(税抜)
- 月あたり 122,222円 ÷ 12か月 = 約10,185円(税抜)
- 進呈は1,000円(税抜)ごとなので、切り捨てを含めると月11,000円(税抜)から
対象にならない料金のほうが多い場合があります
何が10%の対象になるかは、公式ページに一覧があります。
| 10%還元の対象 | |
|---|---|
| 基本使用料・通話通信料・付加機能使用料・ユニバーサルサービス料 | 対象(各種割引サービスの適用後の金額) |
| ドコモ mini/irumo/ahamo/ahamo光 | 対象外 |
| 端末代金・バリューコースの分割支払金 | 対象外 |
| 各種手数料・事務手数料・工事料 | 対象外 |
| d払い(一部を除く)・消費税 | 対象外 |
ahamoなら、この特典は0円です。料金の安いプランに移した人ほど、ゴールドで増える分が消えます。
もう1つ、支払い設定の期日があります。請求月の前月末日の時点でdカード GOLDでの支払い設定になっていないと、その月は1%のみ。カードが届いてから設定した月は、間に合わないことがあります。
国内・ハワイの主要空港ラウンジも無料になります。ただし入口でdカード GOLDと当日のフライトチケットの半券を提示する形なので、飛行機に乗らない年は0回。
料金プランが対象外で、飛行機にも乗らないなら、このカードで年会費を上回る手段は年間ご利用額特典だけに絞られます。
「最大1万円相当」が1万円で戻るとは限りません
dカード GOLDには、前年のお買い物額累計100万円で最大10,000円(税込)相当という年間ご利用額特典もあります。三井住友カード ゴールド(NL)の継続特典と同じ位置にあるもの。
ただ、公式の注意事項に1行あります。
「交換先によっては、上記の特典進呈金額を下回るクーポンとなることがあります。(例:10,000円⇒7,000円クーポン)」
相当と書いてある数字は、上限のほうです。10,000円が7,000円になる例を、公式自身が挙げています。
三井住友カード ゴールド(NL)の側にも似た注記があり、Vポイントは交換方法によって1ポイント1円相当にならない場合がある、と書かれています。どちらも交換の出口で目減りするという同じ形。
年間ご利用額特典の集計にも、対象外があります。
- Edyチャージ、nanacoチャージ
- キャッシング返済金
- リボ払い・分割払い・スキップ払いの手数料
- 年会費、遅延損害金
保険とラウンジを金額に足すと、計算が壊れます
上位の記事が分岐点を大きく見せている理由が、ここにあります。付帯保険を「最高5,000万円」のような額で足しているためです。
保険は、使わなければ0円。しかも「最高◯◯万円」は死亡・後遺障害の額で、海外で実際に払うことになる治療費用とは別の数字です。
年会費と比べる相手は、その年に実際に使った分だけになります。
| 特典 | 年会費と比べるときに足す額 |
|---|---|
| 海外旅行保険 | 使わなかった年は0円 |
| 空港ラウンジ | 行かなかった年は0円。使った回数 × 1,320円 |
| 年間ご利用額特典 | 実際に交換したクーポンの額(10,000円とは限らない) |
使わなかった特典は、0円で数えます。持っているだけの特典に金額を付けると、どのカードでも元が取れる計算になってしまいます。
保険の中身と、2枚目を足したときに合算されるものは、2枚目の海外旅行保険に分けて書きました。
ラウンジも同じで、年0回なら0円です。国内ラウンジが無料になるカードを持っていても、空港へ行かない年は分岐点に1円も寄与しません。
ゴールドカードの年会費に関するよくある質問
本文で扱わなかった周辺の疑問を3つ置きます。
家族カードの利用分も、年間100万円に入りますか
三井住友カード ゴールド(NL)は入ります。公式に「家族カードおよび子カード(ETCカード、iD専用カードなど)のご利用分は合算して集計いたします」と書かれています。家族の支払いを同じ系統に寄せると、達成の側では有利に働く形。
途中で解約すると、それまでの達成は残りますか
残りません。三井住友カード ゴールド(NL)の注意事項には「カードを退会、あるいは会員資格が停止された場合、本特典の達成状況はリセットされます。(再入会時は引継ぎされません)」とあります。
ゴールドカードの審査に通るか知りたいです
当サイトは審査を扱っていません。見ているのはカード会社が公開している条件だけで、審査の基準は公開されていないため。通るための方法も書きません。
公開されていない条件は、扱わないことにしています。ここに書けるのは、公式ページに文字で載っているところまでです。
まとめ。年会費を払う価値が出るのはどこか
申し込む前に、自分の数字で確かめるところです。
- 年会費11,000円を、何で取るつもりか(利用額・回数・契約のどれか)
- その型の数字に、自分が届くか(月83,334円/年9回/月11,000円)
- 2枚目に足すなら、1枚目から支払いが移ってもその数字に届くか
- 「最大◯◯円相当」を計算に入れていないか
判断が分かれるところだけを並べます。
- 利用額で取る型(三井住友カード ゴールド(NL))は、月83,334円をこの1枚に集められるかどうか。2枚目に足す使い方とは相性が悪い
- クレカ積立・電子マネーチャージ・国民年金保険料は、100万円に数えられない
- 回数で取る型(楽天プレミアムカード)は、国内ラウンジなら年9回、海外なら年2回が分かれ目
- 契約で取る型(dカード GOLD)は、対象のドコモ料金が月11,000円(税抜)に届くかどうか。ahamo・irumoは対象外
- 「最大◯◯円相当」は上限で、交換先によって下回る
型が決まれば、数える数字も決まります。ここに1つも当てはまらないなら、年会費0円のカードのままで足ります。
出典
この記事の数値は、各カード会社の公式ページで確認したものです。日付は確認した日で、比較サイトなどの二次情報は使っていません。
- 三井住友カード ゴールド(NL)|カード概要 / 2026年9月23日 確認
- 三井住友カード|特典の詳細およびご注意事項(ゴールド(NL)) / 2026年9月23日 確認
- 楽天プレミアムカード / 2026年9月23日 確認
- dカード GOLD / 2026年9月23日 確認
データと出典には、判定が使っている数値を1行ずつ、どの公式ページのいつ時点の記載かとあわせて置いています。
持っているカードで確かめる
いま持っているカードを選ぶと、ここに判定が出ます
- 12枚目はいりません
- 22枚目を作ると得します
- 3条件を満たせば得します
- 4同じ会社の2枚目になります